更新日:2025年5月7日
ここから本文です。
沖永良部事務所農業普及課管内(沖永良部島,与論島)における普及活動の成果を紹介します。
令和6年度の沖永良部島・与論島の気象状況は,梅雨明け後から8月中旬まではまとまった降雨がありませんでしたが,その後,台風の影響等で降雨の多い9,10月となりました。また,与論町では11月8日から10日に発生した線状降水帯により,72時間雨量が650.5mmの大雨となり,農作物や農業施設に大きな被害をもたらしました。加えて,11月10日には沖永良部島でも時間雨量64mmの大雨となり,植え付けたばかりのばれいしょ種いもが流されるなどの被害がありました。昨年は少雨で悩まされましたが,今年は大雨の年となり,最近の気象変動の大きさを痛感する年となりました。
このような中,主幹品目であるさとうきびは,沖永良部島では何十年ぶりに黒穂病の発生がありましたが,大きな気象災害もなくおおむね平年並の収穫量が見込まれています。ばれいしょは,かごしまブランド産地指定30年目の節目にあたり記念大会を開催し,産地の維持拡大の取組を再確認しました。花き類については,高温の影響でやや生育が劣るものの,スマートフラワー規格の普及などにより安定的な出荷が行われており,県育成品種のテッポウユリ「咲八姫」は,PR活動の取組により高評価で取引されています。また,肉用牛の子牛価格は,3月セリは前回よりやや上昇したものの,飼料価格の高騰など依然として厳しい経営状況となっています。畑地かんがい事業は,国営地下ダムの工事もほぼ完成し,通水地区も徐々に拡大しており,実証ほ成果のPR,各作物の研修会等により畑地かんがいを利用した営農が拡大しつつあります。
また,県では「かごしま未来創造ビジョン」において,「人づくり・地域づくりの強化」,「生産・加工体制の強化,付加価値の向上」,「販路拡大・輸出拡大」を3本の柱として位置づけるとともに農業の「稼ぐ力」を引き出す諸施策に取り組んでいます。
これらの情勢や管内農業・農村の緊急かつ重要な課題等を踏まえて,沖永良部事務所農業普及課では,(1)地域を支える担い手の確保育成,(2)地域を支える畑かんの営農推進,(3)稼ぐ力の向上によるブランド産地の育成(ばれいしょ・テッポウユリ),(4)地域資源を生かした地域営農システムの構築,(5)温暖な気候を生かした園芸産地の育成(野菜・果樹,花き),(6)安定したさとうきび生産技術の確立と持続ある産地の育成,(7)地域資源を生かした肉用牛経営体の育成の7つの普及指導計画を柱に関係機関団体との連携を図りながら,効率的かつ効果的に活動を展開してまいりました。この度,これらの活動と各種実証ほの成績などを「令和6年度普及のあゆみ」として取りまとめましたので,今後の地域農業及び個別経営の発展に少しでもお役にたてれば幸いです。
この1年間,普及指導活動に御協力いただきました実証・展示ほ担当農家をはじめ,普及指導協力委員,指導農業士,女性農業経営士,畑かんマイスター,関係機関・団体の皆様方に心より感謝申し上げます。
令和7年3月
大島支庁沖永良部事務所農業普及課課長蛯原直人
沖永良部地域を支える担い手の確保・育成(PDF:491KB)
稼ぐ力の向上によるブランド産地の育成(ばれいしょ,テッポウユリ)(PDF:455KB)
地域資源を生かした地域営農システムの構築(PDF:321KB)
温暖な気候を生かした園芸産地の育成(野菜・果樹・花き)(PDF:402KB)
安定したさとうきび生産技術の確立と持続ある産地の育成(PDF:274KB)
地域の特性を生かした肉用牛経営体の育成(PDF:502KB)
ジャガイモシストセンチュウ抵抗性品種現地実証(種いも比較:和泊町,知名町)(PDF:117KB)
ジャガイモシストセンチュウ抵抗性品種現地実証(抵抗性品種現地適応性)(PDF:105KB)
与論町におけるさとうきび(Ni23)のかん水効果の確認(PDF:101KB)
よくあるご質問
このページに関するお問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください