医療相談
令和6年度医療相談(所内)を開催します
多系統萎縮症(令和6年5月19日開催予定)
令和5年度医療相談(所内)を開催しました
神経線維腫症(令和6年3月11日開催)
【参加者】患者6名,家族5名,関係者1名
講話:「神経線維腫症について」
講師:鹿児島県難病相談・支援センター福永秀敏所長
- 神経線維腫症はⅠ型とⅡ型があり,常染色体優性遺伝であるが,いずれも半数は孤発例。
- Ⅰ型はカフェオレ斑と神経線維腫,Ⅱ型は聴神経鞘腫,カフェオレ斑と若年性白内障等の症状を呈する。
ご意見・ご感想(アンケート結果から)
- 交流会の方の話をきいて,勇気が出ました。
- 同じ病気の方との交流会は大切だと思いました。
- 今回初めて参加させていただき,とてもいいお話を聞くことが出来て良かったです。
原発性胆汁性胆管炎(令和6年2月24日開催)
【参加者】患者8名,家族3名,ボランティア2名
講話:「原発性胆汁性胆管炎病気との付き合い方」
講師:鹿児島大学病院消化器内科谷山央樹医師
- 原発性胆汁性胆管炎(PBC)は自己免疫疾患の一つ。胆管や肝臓を攻撃し炎症が起きる。
- 初発症状は皮膚掻痒感が多い。血液検査で異常が出ていても,自覚症状がない場合も多い。
- 生活上の注意としては,基本的に特別な運動制限や食事の制限もない。肝硬変に進展した場合は浮腫や腹水予防に塩分制限が必要。
ご意見・ご感想(アンケート結果から)
- 先輩方のいろいろな様子も聞けて,今後の考え方(付き合い方)も変わりました。
- 診察時の説明も受けていますが,改めて自分の病気についてお聞きする事ができて良かったです。
- みなさんの話を聞くことができて,安心しました。
炎症性腸疾患の患者の食事管理(令和5年11月26日開催)
【参加者】患者6名,家族2名,ボランティア2名
講話:「人生を我慢しないで!知って欲しい『食事(栄養)』のヒント」
講師:鹿児島県栄養士会会長油田幸子管理栄養士
- 「食事」というのは,できるだけ良い状態を保つため,どんな状態でも大切。
- 「我慢」は症状を悪化させる。体のSOSを感じたら,早めに医師に相談を。
- どんな食品も適正量が人それぞれ。自分にあった種類や量を把握していくことが大事。
- IBDの食事では,食事を楽しむ中でもルールを忘れないこと。
ご意見・ご感想(アンケート結果から)
- これからも食事のバランスを考えながら摂取していきたい。
- 「食べ過ぎない」大事!
- 気をつけないといけない食品のことが分かり良かった。
多発性嚢胞腎(令和5年10月20日開催)
【参加者】患者4名,家族2名,ボランティア1名
講話:「多発性嚢胞腎」
講師:鹿児島大学病院腎臓内科吉嶺陽仁医師
- 多発性嚢胞腎は腎臓に嚢胞ができて腎機能が低下する病気。
- 症状は血尿,腹痛,腰背部痛,腹部膨満等。嚢胞があっても30~40歳代まで無症状で経過することが多い。
- 進行を抑制する治療は高血圧治療,飲水(飲み過ぎは現在推奨されない),食事管理,薬物療法。
- 脳動脈瘤ができる割合が高く,診断時のチェックと定期的な検査が必要。
- 最近では適度な運動が勧められているが,嚢胞出血予防のため,腹部に衝撃のある運動は避ける。
ご意見・ご感想(アンケート結果から)
- 病気で不安に思っているところがよく理解できて助かりました。
- 話を聞くことで病気をより理解できた気がします。
- 同じ病気の方のお話が聞けてよかったです。
線維筋痛症・慢性疼痛(令和5年8月27日開催)
【参加者】患者3名,家族2名,支援者2名,ボランティア3名
講話:「痛みの治療法と付き合い方~慢性疼痛(線維筋痛症)~」
講師:志學館大学人間関係学部心理臨床学科
胸元孝夫教授
- 日本の有病率は,人口比1.7%(推定200万人)
- 慢性疼痛の痛みの評価では「身体面」「精神・心理面」「社会・生活面」からの3方面からの適切な評価が必要。
- 長期に続く痛みの治療では,できるだけ早期の段階で痛みを取り除くことが大事。ストレスや心身疲憊状態,怒りの感情を抑圧してるような方も多い。
ご意見・ご感想(アンケート結果から)
- 服薬について主治医以外のドクターから話を伺う機会はなかなかないので有り難かったです。
- 気になっていたことについてダイレクトにご意見をうかがうことができました。
- 治療法,痛みに対しての対処の仕方がいろいろとある事を知れて良かった。
多発性硬化症(令和5年5月28日開催)
【参加者】患者10名,家族2名,ボランティア1名
講話:「一生懸命,その日その日を生きることではないだろうか」
講師:鹿児島県難病相談・支援センター所長・国立病院機構南九州病院名誉院長
福永秀敏医師
- 多発性硬化症(MS),視神経脊髄炎(NMOSD),MOG抗体関連疾患(MOGAD)があり,脱髄性の
疾患で多発性におこる。
- 寛解増悪を年単位で繰り返す。急性期の治療,再発進行を抑える治療,症状を緩和する治療がある。
- 症状の緩和のために,十分な休息,運動,体温を上げない,バランスの取れた食事,ストレスを緩和
する等それぞれの体調に合った生活をすることが大切。
ご意見・ご感想(アンケート結果から)
- いろいろな人の症状や治療法を聞けて,自分にあった治療であれば,あせる必要は無いと思いました。
- 様々な事例に対して対処法を聞けて良かった。
- 皆さんの体験を聞かせていただいて励みになりました。
令和4年度医療相談(所内)を開催しました
膠原病患者の口腔ケア(令和5年3月11日開催)
【参加者】患者10名,家族2名,支援者1名,ボランティア1名
講話:「膠原病患者の口腔ケア」
講師:鹿児島大学病院口腔外科特任准教授上川善昭先生
- 健康を保つには,口からおいしく食べること。健康は,体の健康,精神の健康,社会的健康がそろっている状態。社会的健康が注目されており,引きこもりや買い物に出ない,何も食べたくないということは,不健康の始まりだと言われている。
- う歯は,細菌,プラーク糖質,歯の質,時間の4つがそろうと成立する。食べたら磨くを徹底すれば,虫歯にはならない。
- 膠原病は,自己免疫性疾患の総称である。ステロイド剤や免疫抑制剤などの薬物療法を行うため,低下する。そのため,口腔ケアによる感染症予防が重要。
- 唾液には,自浄作用や抗菌作用,粘膜保護の役割がある。唾液を分泌させるには,唾液分泌促進薬や唾液腺刺激療法がある。唾液腺刺激療法は,咀嚼や味覚(酸味・うま味)による刺激,口腔筋機能療法(口呼吸の予防により,蒸散を防ぐ)がある。
ご意見・ご感想(アンケート結果から)
- いろいろな話を,体験を混じえて話していただき,大変参考になり,楽しく聞くことができました。
- 膠原病の口腔ケアをはじめ,細菌のことまで学べて,勉強になりました。
- 病気のことを自分もよく理解して,日々の生活が良くなるように努力したいと思っています。
特発性拡張型心筋症(令和4年11月27日開催)
専門医による個別相談
担当医:鹿児島大学病院心臓血管・高血圧内科学窪薗琢郎先生
相談者:1組
治療の選択肢の助言,日常生活での注意点など,相談者の悩みに丁寧に対応していただきました。「いつも主治医と話すだけだったので,今回とても良い機会をいただいた」等の感想をいただきました。
【疾患の概要】
- 心臓は収縮・拡張を交互に繰り返すことで全身に血液を送り届けるポンプとしての役割を果たしていますが,特発性拡張型心筋症は,心臓の筋肉の収縮する能力が低下し,左心室が拡張してしまう病気です。
- 心臓の病気の中には,高血圧,弁膜症,心筋梗塞などが原因で,見た目は拡張型心筋症と同じような心臓の異常を起こすケースもあり,特定心筋症でないことを確認することは特発性拡張型心筋症を診断する上で重要です。
下垂体前葉機能低下症(令和4年11月5日開催)
専門医による個別相談
担当医:鹿児島大学病院糖尿病・内分泌内科学橋口裕先生
相談者:3組
病気の経過や治療への不安等,相談者の悩みに対し丁寧に対応していただきました。相談者からは「本当に来て良かった。」「相談したいことを全て聞くことができた。大満足です。」等の感想が寄せられました。
【疾患の概要】
- 下垂体とは,頭蓋骨の中で脳の下にぶら下がるように存在する小さな内分泌器官で,前葉と後葉の2つの部分からなります。前葉は,6種類のホルモン(副腎皮質刺激ホルモン,甲状腺刺激ホルモン,成長ホルモン,黄体化ホルモン,卵胞刺激ホルモン,プロラクチン)を分泌します。
- 前葉ホルモンは,副腎皮質,甲状腺,性腺など数多くの末梢ホルモンの分泌を調整しているため,前葉ホルモン分泌が障害されると,結果的に副腎皮質ホルモン,甲状腺ホルモン,性ホルモンなどの分泌にも異常が生じ,ホルモンの種類により多彩な症状が現れます。
- 下垂体前葉機能低下症とは,下垂体ホルモンの一部またはすべてが何らかの原因で十分に分泌ができず,下垂体ホルモン自体およびその調整下にある末梢ホルモンが欠乏した状態を意味します。
膿疱性乾癬(令和4年7月31日開催)
【参加者10名】(当事者6名,家族3名,ボランティア1名)
講話:「膿疱性乾癬の特徴と治療について」
講師:鹿児島大学大学院医歯学総合研究科皮膚科学東裕子先生
- 膿疱性乾癬の特徴は,発熱,膿疱,浮腫など体全体に症状が出ること。どちらかといえば女性が多い。最初から膿疱性乾癬と診断される方もいるが,尋常性乾癬から膿疱性乾癬へ移行することもある。
- 治療法には,外用剤や紫外線治療,内服薬,生物学的製剤等がある。いくつかを組み合わせて行う。生物学的製剤は,内臓に影響を与えないため,飲み薬に比べると比較的副作用は少ない。
- 最近では,生物学的製剤の一つとしてスペビゴが承認された。
患者会からの情報提供:鹿児島乾癬患者会重田茂和会長
- 鹿児島乾癬患者会は,2013年10月に全国20番目として立ち上げた。鹿児島乾癬患者会の頭文字をとって通称「KAPPA(かっぱ)」と呼ばれている。
- 患者会では,患者同士の交流だけでなく,勉強会や会報の発行をしている。
- 今年の9月10日(土曜日)には,全国乾癬学習懇談会「みんなで語ろう乾癬についてin鹿児島2022」が集合形式とzoomの両方で行われる。興味のある方はぜひ参加してほしい。
ご意見・ご感想(アンケート結果から)
- 治療法についてより詳しく知ることができ,今後の経過観察もしっかりしようと思えました。
- 患者会について,周りに相談・共感できる人がいないので,共感が持てました。
- 患者歴が長いので自分の病気のことは知っているつもりですが,まだまだ知らないことがあるのだなと思いました。
若年性パーキンソン病(令和4年5月7日開催)
【参加者6名】(当事者5名,関係者1名)
講話:「若年性パーキンソン病とその付き合い方」
講師:鹿児島県難病相談・支援センター福永秀敏所長
- 若年性パーキンソン病は,40歳以下で発症した場合をいう。病気の進行が緩やか,レボドパがよく効くなどの特徴がある。
- 黒質の神経が変性し,ドパミンが減ることによって,手足の震えや,筋肉のこわばり,体のバランス低下などの症状が現れる。
- 病気とうまく付き合うには,おかれている状況や病気について知ることが大切。必要以上に心配しない,医師や介護者とのよい関係を築く,オフが強い時間はゆっくり過ごし,オンの時にしたいことをする。
患者会からの情報提供:全国パーキンソン病友の会若年会久保田佳代子代表
- パーキンソン病は,個人によって症状が様々である。個性として捉えていただければありがたい。
- 鹿児島県支部では,国会請願の署名に力を入れている。その他,卓球も行っている。同じ仲間がいると思うだけで,支えになる。ひとりで悩まずつながることで,大きな力を共有することができる。ぜひ一緒に克服していきたい。
ご意見・ご感想(アンケート結果から)
- 今後のことが想像もつかず不安だったが,少し不安を減らすことができたと思います。
- 自分の症状と同じ症状の方がいらっしゃること,みなさんパーキンソン病と上手に付き合っていく工夫と努力をされていることが聞けて参考になりました。
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